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October 30, 2017

司馬遼太郎の何かの本で、大阪の人は技術はあるが理想がない、東京の人は理想はあるが技術はない、という話があると聞いたことがある。
フランス人は理想を持ってるけど働くことにあまり積極的ではなく、日本人はお金を稼ぐことはできるけど理想を持ってない、ということも言えると思う。
そう思えば、私は理想を持って物事にむかっているとは思えない。私のものづくりの動機は、いつでも自分の狭い世界の外に飛び出すための一つの方法だった。何か懸命にものを作ることで、次のステージに行けた。目標とするデザイナーに会えた。フランスに来れた。いつも自分の世界が狭いと思っていた。今、ヨーロッパでの生活は4年目で、自分が井の中の蛙だとは思わなくなった。
そういう状況においても、自分の理想よりも、人の掲げる理想は眩しい。でももはや、服のデザイナーで感動する理想を語る人はほとんどいない。むしろ、仕事人としては理想を語るだけではアウトなので、実務を語るべきでもある。

とは言いつつ、理想は経験によって培われるものなので、気質的に理想のないタイプだったとしても、新しいものを作り出す努力によって理想は創造できる。その努力がオリジナルの理想を作り出す手助けだろう。初期衝動を大事にすること、万人に共通する根源的な理想も、可能性がある手。

宮崎駿さんが、理想を失ってはいけないとおっしゃっていた。
ファッションの理想は、もはや節度あるということと思っているけれど、もっと別の視点から見た、より心に響く理想もあるはずだ。

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